21.中庸に「遠くに行くためには必ず近くに行くことから始め、高いところに登るには必ず低いところから始めるのがよい」とある。
私の仕法で荒地を開墾するには、お金一両を推し譲って荒田を開墾し、そこでとれた米を推し譲り、くり返して開墾をしていくのである。
このように荒地を開墾するには、一鍬づつの開墾を重ねていくのである。。
もし一鍬づつの開墾をくり返していけば、天下の荒地はすべて開き尽くすことができるだろう。
一般の人は手近な一鍬づつの開墾から始めて、天下の全てをひらき尽くすということを知らない。
また、一鍬づつの開墾は効果が小さすぎて、とるに足らないという。
あるいはまた、天下の荒地を開き尽くすなどは、大きすぎてできないという。
孔子の言葉に「知者はやりすぎる。愚者は足りない。」とある。これが私の仕法が行われない理由であろうか。